上記のコンセプトや事実を一つに結び付けることにより、V-DOSCシステムは円柱状波スピーカーとして機能します。こうした物理の法則が一つに組み合わされて、ラウドスピーカーのエンクロージャーの技術に応用されたことは今までなかった事です。
円柱状波面 (Sylindrical Wavefront) は、サウンドの伝播全体に非常に異なった影響を及ぼします。これまで当たり前とされてきた物理の原則を文字どおり捻じ曲げ、サウンドの世界を新たな段階に導いています。
Cylindrical Waves in the Real World
現実世界での円柱状波
現実に面積を持つ音源はすべて、ニアフィールド(近いフィールド)とファーフィールド(遠いフィールド)を作り出します。後者は広く知られており、しばしば音波のCADプログラムに使用されます。ファーフィールドでの音波の強さは距離の逆2乗則で減じ、このフィールドはフラウンホーファーの解説に一致します。このファーフィールドは一般的にオーディエンスエリアから無限遠までです。(以下フラウンホーファーゾーンと表記)
ニアフィールドの音波の性質は、最初にフレンズネルによって説明されました。従ってこのニアフィールドエリアをこの後フレンズネルゾーンと表記します。ニアフィールドは音源と直接接触しているポイントから、Dlim(Distance
Limit/距離限界)までのエリアのことです。Dlimは周波数に従属しており、下記の等式にしたがって変化します。
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